グラフィックトライアル2010最終日の本日に見てきました。今回で五回目ですが、二回目以降は全て見に行っておます。今では当たり前なのかもしれませんが、オフセット印刷でもゴールドやシルバー、ニスなどが使われるようになりました。トライアルの中でもそれらは登場します。しかし、僕はそれが気になっていました。オフセットといえば単純なCMYKの四色のみで行うものという意識が強いので、それらの使用はグラフィックトライアルの制約からずれている様な気がしてしまうんです。そういう思いが強いせいか、本当に単純なオフセットの仕組みを工夫してトライアルしているものに魅力を感じます。そういった意味で今回のトライアルの中では菊地敦己さんのトライアルが一番面白かったです。過去の作品も含めると、07年の服部一成さんのも良かったです。特に印象に残っているのは07年の凸版印刷の青柳雅博さんのトライアルです。他の作品はインキの掛け合わせ方を工夫する事で特定の効果を狙う物です。しかし、この3名はオフセット印刷の印刷工程に注目しそこに工夫を施しています。やろうとしている事と結果がとても分かり易く面白いです。素材感を!や絶妙な白を!と言われてもなかなかわかりません。まぁ、それはぼくが印刷に対して大して詳しくないだけかもしれませんが。
過去の作品はこちらで見れます!
あともう1つ気になったのは導線です。今回は部屋の四方に作品が貼られ、中央に長方形の長い机が4つ並べられ、そこにそれぞれの途中の解説が展示されているという形です。これだと、壁に行って真ん中に行ってまた壁に行っての繰り返しで分かりづらいです。
毎年見に行って思う事はやっぱり僕は印刷が好きだなーということ。印刷の前ではグラフィックなんてどうでもいいやーて思ってしまうことがある。学生の頃に、印刷はあくまで表現(グラフィック)を支えるものと教えられましたがそれだけだとは思えません。印刷を支える為に表現がある時だってあると思う。印刷業会が厳しいとずっと言われています。だからこそ印刷には情報を伝えるだけ意外の「物」としての価値が求められると思う。
プリンティングディレクター、やっぱりやってみたい職業だ。どうしたらなれるんだろう。